新しい価値観と生活スタイルを創造するバロリゼーションー西アフリカ・サヘルの都市の清掃と緑化ー
概要
バロリゼーションという言葉をご存じでしょうか。もともとは、原料に労働力を投下し、製品をつくることを意味する経済学の用語です。資源・環境学の分野では、新たに、無用なもの、有害なものから有益なものを作り出すプロセスを意味するようになりました。わたしは20年まえから、サハラ砂漠の南縁に位置するサヘルという地域で、都市の清掃とゴミを使って、荒廃地の緑化を進めています。都市のゴミを使って緑化を進めることで、農業生産が改善し、農耕民と牧畜民の紛争を予防し、平和な地域社会づくりにつながっていきます。わたしたちが地球環境とどのような関係をつくることができるのか、どのように平和な地域社会を作ることができるのか、バロリゼーションという言葉から考えていきます。
プロフィール
講師:大山修一先生
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科/アフリカ地域研究資料センター 教授。アフリカ地域研究。地理学。「砂漠にごみをまく日本人」
参考文献
1)飢えと争いをなくすため、砂漠をゴミで緑化する。
「アフリカの人道危機を解決する実践平和学」
2)JICAニジェール支所便り
2016年7月号以降 ほぼ毎号「ニジェールでゴミを集める日本人」記事の連載
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